腎臓は体内の環境を整備する司令塔 不要物の排出が重要な役割
腎臓の中には、細い毛細血管が毛糸のように丸まった「糸球体」があり、これがフィルターとなって、血液中の老廃物や塩分、電解質など不要なものをろ過します。きれいになった血液は再び全身をめぐり、一方で不要物は腎臓のボーマン嚢(のう)という部分に運ばれます。これを原尿と呼びます。
ボーマン嚢に運ばれる原尿は、成人で1日当たり150リットルほど。これらがすべて尿として排出されると脱水症状を起こしてしまいます。そこで、原尿はボーマン嚢からつながる細尿管という組織を通り抜けるのですが、その間に原尿内のブドウ糖、水・無機塩類など体に必要な成分や水分が再吸収され、最終的に残ったものだけが尿道を通り、尿として排出されるのです。
腎臓は、体の中の環境を整備する司令塔と言っていいほど、重要な臓器なのです。