老親の「動こう」「楽しもう」という気持ちを尊重しサポートしよう
でも、それでも、おばあちゃんは万が一転んだとしても、孫と、念願のディズニーランドへ行けた方がうれしかったんじゃないか--。
■何かあったとしても「行動しないで後悔」より生きている証し
実は、私も今は亡くなった両親に対して同じ後悔の念を抱いています。子供の立場、ましてや孫の立場になると、高齢である親(祖父母)の負担を極力取り除きたいと思いますよね。足腰が弱っているのだから、無理をさせたくない。転んで骨折したら、そのまま寝たきりになる可能性も高い。万が一の危険が考えられる行動はやめさせたい、と。
ただ、それが本当に親や祖父母のためになっているのか。かえって、足腰を弱らせたり、意欲を失わせる言動になっていないか。歩いたり人と交流したりせず、基本的に自宅で過ごし、たまの外出は息子や娘が運転する車に乗って……としていれば、転倒・骨折のリスクは減るかもしれませんが、年を重ねるほど歩行機能や認知機能が低下していきます。
なので、何よりも自ら動こう、楽しもう、という意欲があるときには、ご家族はそれを実行できるように考えてあげるべきです。リスクはつきものです。さりげなくサポートできる態勢を用意し、万が一の時にはどうするかも考えておけばいいと思います。何かあったとしても、「行動しないで後悔」よりは、生きている証しです。
今は、80歳、90歳になってもアクティブな方が大変多いです。「もう年なんだから」とは、周囲はもちろん、ご本人も思わないでいることが、健康で元気な人生100年時代の実現につながるのです。