森維久郎
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森維久郎赤羽もり内科・腎臓内科院長

三重大学医学部卒業。日本腎臓学会専門医。2020年5月、腎臓内科、糖尿病内科、生活習慣病の診療に特化したクリニックを開院。腎臓について伝える情報サイト「腎臓内科ドットコム(https://jinzonaika.com/)」を監修。

「eGFR」は腎臓の通信簿、「尿たんぱく」は腎臓からのSOS

公開日: 更新日:

 腎臓は、我慢強く、その機能が低下し始めても、なかなか自覚症状が現れにくいということは前回お話ししました。

「沈黙の臓器」ですから、自覚症状が出る頃にはすでに腎機能がかなり低下してしまっている状態がほとんど。では早い段階で腎機能の低下を知るためには、どうすればいいか。最も重要なのは、健康診断を1年に1回必ず受けることです。

 よく患者さんから「腎臓を守るために、普段からなにをすればいいですか」と聞かれますが、私が考えるその方法は「まず見つけること」。

 自覚症状はなくても、腎機能が低下していると数値に表れます。血液検査や尿検査で腎臓に関する数値が標準であれば、普段の生活ではとくに「腎臓を守らなくっちゃ」と気にする必要はありません。

 ただし、健康診断で数値にエラーが出たら、放置は絶対にダメ。「基準値より少しずれている程度だから、まだ放っておいてもいいかな」という考えは禁物です。

 なぜここまで強く言うか──。それは、原則として1度悪くなった腎臓は回復しないからなんです。だからこそ、健康診断で早く見つけるのが望ましい。これが、腎臓の啓発活動を行う医師として最も声を大にして言いたいことです。

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