睡眠時間が乳がんの危険度に関係 メラトニン分泌の減少が原因か
「睡眠時に分泌されるホルモンにメラトニンがあります。これは性ホルモンの分泌を抑制する働きがあり、性ホルモンは乳がんや卵巣がんの罹患リスクに関係していることから、睡眠不足でメラトニン分泌が減り、乳がんリスクが上昇したのかもしれません。ただし、メラトニンががんを防ぐというはっきりしたエビデンスはありません」
類似の研究として、英国のブリストル大学の37万人超のデータを解析したものがある。
それでは、朝型の女性は夜型に比べて、乳がん発症リスクが低いとの結果だった。
また、米国国立がん研究所(NCI)によると、運動は乳がん予防に役立つが、睡眠時間が短いとかえって乳がん発症率を高めるとのこと。
■がんリスク40%増加との大規模調査結果も
大崎国保コホート研究では、前立腺がんにおいては睡眠時間が長いほど罹患リスクが低いとの結果が出ている。
これに関しては、睡眠時間7時間未満、7~8時間、9時間以上の3群で比較。7~8時間の群を基準としたところ、7時間未満群では前立腺がん発症率が高く、9時間以上群では発症率が半分以下だった。