「正月ボケ」から立ち直る方法 時間栄養学の専門家が教える
■週末に体内時計を戻す
こうしたソーシャルジェットラグの影響は大したことはない、と思う人もいるかもしれない。しかし、1週間のうち休日の2日間だけ本来の自分の体内時計で過ごし、普段より遅い起床時間にすると、体内時計が30~45分ほど遅れることが複数の研究で明らかになっている。その影響は翌週の前半まで続き、日中の眠気や疲労感を引きずるといわれる。まして、年末年始の1週間、朝寝坊を続けていれば、簡単に元に戻すのは難しい。
「ソーシャルジェットラグを放っておくと、軽い場合でも肥満やメタボになりやすいことが報告されており、認知機能や学校成績の低下につながることがわかっています。これを解消するには、しばらくの間、週末も、平日と同じような時間に起きて就寝することを心がけることです。そのうえで、①起床後、速やかに太陽光を浴びて親時計を動かす②食事の刺激で体内時計を目覚めさせるため朝食をしっかり取る③午後早めの眠気は正常な体内リズムなので30分以内の昼寝をする④定期的に軽めな運動をする⑤就寝の1時間半前にはスマホやパソコンのスイッチを切り、光刺激を減らす⑥お酒、喫煙、カフェイン入りの飲食を控える⑦照明を落とし、午後11時台には就寝するーーなどに努める必要があります。特に②の朝食は重要です。光の刺激で親時計をリセットした後に体内のさまざまな臓器にある末梢時計は朝食の刺激でリセットされるからです。実際、朝食を食べない人は睡眠と覚醒のリズムが乱れやすいことが報告されています」