1回のPCR検査陽性で全員隔離は正しかったのか…京大医生物学研究所准教授に聞く②

公開日: 更新日:

 宮沢氏によれば、感染拡大を抑える目的であれば、検査は抗原検査で十分だったと言う。ところが、国は最後まで感度の高いPCR検査にこだわり続けてきたかのように見えると言う。

「一人の感染者も見逃さない、ゼロコロナの思想がそこにあったのかもしれません。新型コロナウイルスを過度に怖がる必要はなかった」

■「ゼロウイルス」政策に疑問

 病原性のある新興ウイルスの発生は偶然の産物。変異や別のウイルスとの遺伝子の組み換えが生じると、人に感染するようになることがある。それも多くは免疫により排除されるが、ごく一部で「増殖性」と「病原性」を兼ね備えていることで新興のウイルス感染症になるに過ぎない。新興ウイルスの中でも急性呼吸器感染症は時間が経つにつれて弱毒化していくことがほとんどだ。

「動物ウイルスの研究から、コロナウイルスは1個のウイルスで1個の細胞を感染させるわけでなく、少なくとも1000個から1万個のウイルスを浴びなければ、感染することは難しい。新型コロナウイルスの主な感染経路はエアロゾルと呼ばれる、微小飛沫粒子(直径5マイクロメートル以下)ですが、計算上、微小飛沫のほとんどはウイルスを含んでいません。つまり、1万個のウイルスを吸い込むにはかなりの微小飛沫を吸い込まなければなりません。ですから、私は吸い込むウイルス量を100分の1にする対策だけで十分であり、ゼロウイルスのようなやり方は日本の経済を含めて人をも壊してしまいかねない、と言い続けてきたのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動