病気で安静にしていると「寝たきり」につながる危険がある
廃用症候群を発症している人の約9割は低栄養状態になっているという。筋力の低下によって日常の活動量が少ないことや病気で、お腹がすかず食事量が減ることと病気のためだ。
「ほとんど外出せず活動量が少ない人で、痩せようと思っていないのに半年で体重が2~3キロ以上落ちていたら、低栄養状態で廃用症候群を発症している可能性があります。療養中も含め、日頃から栄養バランスを整える食事を意識しましょう。魚、油、肉、牛乳、野菜、海藻、いも、卵、大豆、果物の中からほぼ毎日7個以上の食材を取ると、身体機能が低下しにくいです。『さあにぎやか(に)いただく』と覚えてください。また、体重の減少は低栄養を発見するために重要な指標になります。定期的に体重を量り、動きやすいと感じる自分のベスト体重を把握して維持することが大切です」
廃用症候群を発症すると、筋力が衰えている高齢者は完全に回復することが難しく、そのまま寝たきりになってしまうと家族の負担も大きくなる。日頃から運動と栄養バランスの整った食事を心がけ、予防に努めよう。