著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

若年性脳卒中は発症から1年以内でがんリスクが増加する

公開日: 更新日:

 脳卒中というのは、脳の血管が詰まったり破れたりすることによって起こる脳の病気の代表で、血管が詰まる脳梗塞と、血管が破れる脳出血とに分かれます。

 通常、脳卒中は脳の動脈硬化に伴って起こることが多く、そのため50歳以上で発症するのですが、最近はもっと若い年齢で発症する脳卒中が増加していて、それを「若年性脳卒中」と呼んでいます。みなさんも若い芸能人の方が脳卒中になったというような報道を見聞きして、「まだ若いのに」と驚かれたことがあると思います。

 若年性脳卒中の原因には、生まれつき心臓に開いている穴や、何らかの原因で血管が裂ける解離などがありますが、それがなぜ最近増えているのかは不明です。そして、それと同時に注目されているのが、若年性脳卒中とがんとの関連です。

 今年の米国医師会関連の医学誌に掲載された論文によると、15歳から49歳で脳卒中になった2万7000人以上の患者を解析したところ、脳梗塞の場合2.6倍、脳出血の場合5.4倍も、1年以内にがんと診断されるリスクが増加していたのです。50歳以上で発症した脳卒中では、そこまでのリスクの増加は見られませんでした。

 がんになると血液がドロドロになり、それが脳卒中につながった可能性が指摘されていますが、正確な原因は不明です。

 若年性脳卒中では、がんの可能性も疑って検査をした方が良さそうです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 2

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  3. 3

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  4. 4

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  5. 5

    阪神・藤川監督が酔っぱらって口を衝いた打倒巨人「怪気炎」→掲載自粛要請で幻に

  1. 6

    巨人・小林誠司に“再婚相手”見つかった? 阿部監督が思い描く「田中将大復活」への青写真

  2. 7

    早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差

  3. 8

    「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

  4. 9

    フジテレビを救うのは経歴ピカピカの社外取締役ではなく“営業の猛者”と呼ばれる女性プロパーか?

  5. 10

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された