著者のコラム一覧
古谷彰子愛国学園短期大学准教授

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

【コンブ】ヌメヌメ効果で高脂血症と糖尿病予防の報告も

公開日: 更新日:

 コンブは褐藻類の一種で、日本では主に北海道を中心に収穫され7~9月に旬を迎えます。コンブにはさまざまな種類がありますが、根・茎・葉に分けられ、乾燥させて出荷されます。特にマコンブは根元に多くのうまみ成分を含んでおり、だしコンブとして利用されることが多いです。

 また、とろろコンブはコンブを食酢に漬けて削り、糸状に加工したものです。表面の黒い色素が多く含まれる黒とろろと、黒とろろを削り取ったあとの白い部分を利用した白とろろがあり、コンブと同じように栄養素が豊富に含まれています。

 それでは、コンブにはどのような栄養素が含まれているのでしょうか。

 まずは圧倒的な含有量を誇るヨウ素。エネルギー代謝や新陳代謝を促進、活発にしてくれる甲状腺ホルモンの一種「チロキシン」と「トリヨードチロニン」の材料になります。髪や肌を美しく保ったり、エネルギーをつくり出す炭水化物・タンパク質・脂質の働きを効率的にしてくれる効果も見込めます。

 そして、食物繊維も豊富なのも特徴ですね。中でも注目したい食物繊維がアルギン酸とフコイダン。コンブを水に漬けた時にヌルヌルする正体です。マウスの実験にはなりますが、高脂肪食を食べ肥満になってしまったマウスにコンブを摂取させると、アルギン酸の影響で中性脂肪の吸収が抑制されることが、高脂血症ラットの実験ではフコイダンを摂取させたことで中性脂肪や悪玉・善玉コレステロールの数値が改善したことなども報告されています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…