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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

慶大の岸博幸教授が多発性骨髄腫を告白…移植と抗がん剤のつらい副作用

公開日: 更新日:

「多発性骨髄腫という病気を患ってるんです。その治療のために8月下旬まで入院。抗がん剤を使った治療をするので、かなりしんどそうではあります」

 自らのツイッターにこう語ったのは、元通産官僚で慶大大学院メディアデザイン研究科教授の岸博幸さん(60)。

 多発性骨髄腫は、免疫を担うリンパ球の一種・形質細胞ががん化した病気です。本来、リンパ球は、ウイルスや細菌に感染した細胞や体内に発生するがん細胞を見つけると、攻撃して身を守ります。

 ところが、形質細胞ががん化すると、感染した細胞やがん細胞を攻撃しなくなり、その形質細胞が骨の中で増殖。感染やがん化のリスクが高まるほか、痛みや骨折の原因にもなるのです。さらに役立たずの異常な抗体が発生し、その抗体の断片が腎臓に蓄積されてろ過機能を障害するため、腎機能も悪化します。

 多発性骨髄腫になったとしても、がん化した形質細胞が一定量まで増えないと、症状は見られません。治療は症状が現れてから行うのが一般的。定期的に経過観察しながら、症候性になった時点ですぐに治療を開始しますから、岸さんは恐らく症状が出ているのでしょう。

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