夫を介護する80代女性「病院だと誰も夫に話しかけない…家に帰してあげたい…」
「面会に行ったら血圧も下がって、手もむくんでるの。これはもう死んじゃうってこと? もう心配で心配で! 病院だと誰も話しかけないし、家に帰してあげたいんです」(H子さん)
「わかりました。帰ってきましょう。お手伝いしますから」(私)
しかしその直後、退院の手続きを行う間もなく、ご主人は旅立たれてしまいました。
「私のせいで……。帰ってくると思ってたから、もうつらくてなににも手がつかない」(H子さん)
在宅介護をしていた期間は約2年。困難は多数あったものの、夫婦で充実した時間を過ごしていたからこそH子さんの悲しみは深かったことでしょう。
在宅医療に正解はありません。ただご自宅で過ごしたいという思いのために、あらゆる解決案を諦めずにその都度提案し、応え続けることしかないのだと考えるのです。