流行中の「溶連菌」は合併症に注意…ギランバレー症候群を発症するケースも
また、中でも気を付けたいのが「ギランバレー症候群」だという。通常は治療を受けなくても約半年で自然に回復する一方で、疲労感や長距離歩行の困難など長期にわたってADLの低下を来たすケースも少なくない。
「溶連菌感染症と診断された20代の女性は、強い喉の痛みと39度の発熱があったものの自宅で経過観察をしていて、当院を受診したのは発熱から4日たった後でした。アモキシシリンを処方しましたが、2週間後に『手足に力が入らず感覚が鈍い』と再度来院し、ギランバレー症候群と診断されました。治療が遅れると合併症のリスクも上がるので、症状があればすぐに受診することが大切です」
ギランバレー症候群を発症すると、成人の30%は3年後も筋力低下が残ると報告されている。マスクやうがいといった感染対策はもちろんだが、万が一感染しても合併症を起こさないためには、自己判断で放置しないことが大切だ。