「HPVワクチン」は子宮頚がんを予防する唯一の策 大規模調査で、健康被害とは無関係との結果
20~30歳代の女性で増加している子宮頚がんは、がんの中でも数少ない「予防できるがん」だ。唯一の予防策がワクチンを打つこと。無料接種できる年齢が決まっており、1997年度から2006年度生まれの女性においては、その期限が来年3月に迫っている。
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子宮頚がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染で発症する。
「藤沢女性のクリニック もんま」の門間美佳院長が言う。
「現在一番多く接種が行われている9価のHPVワクチンは、子宮頚がんの原因となる80~90%のHPVの感染を予防します」
WHOは患者10万人あたり4人以下になった状態を子宮頚がんの撲滅と定義。世界各国でHPVワクチンの接種に取り組んでおり、接種完遂率が80%を超える国もある。たとえばイギリスでは接種率が女性86%、男性81%。昨年11月には「2040年までに子宮頚がんを撲滅する」との目標を発表している。
一方、日本の接種率は1.9%(2019年)。これほど接種率が低いのは、健康被害の訴えにより2013年から2021年まで「積極的勧奨」が差し控えられていたため。積極的勧奨とは、市町村が接種を促す案内を各家庭に送ったり、さまざまな媒体で接種を積極的に呼びかけること。