【HPVと子宮頚がん】かつて70%超だったワクチン接種率は0.3%まで激減
子宮がんは、子宮体部にできる「子宮体がん」と、子宮頚部にできる「子宮頚がん」に分類されます。子宮頚がんは、子宮の入り口の子宮頚部と呼ばれる部分に発生し、子宮がんのうち約7割程度を占めます。
子宮頚がんのほとんどは、「ヒトパピローマウイルス(HPV)」というウイルスの感染が原因であることがわかっています。このHPVは性交渉により男性にも女性にも感染し、90%の人はウイルスが自然排除されますが、10%の人ではHPV感染が長期間持続します。
このうち、自然治癒しない一部の女性は異形成と呼ばれる前がん病変を経て、数年以上をかけて子宮頚がんに進行します。国内では、毎年約1万人の女性が子宮頚がんにかかり、約3000人が死亡しています。
感染してからがんになるまでには10~20年経過する場合が多く、10代でHPVに感染すると、30歳前後でがんになる場合が多く、妊娠の際にがんが発見されて出産を諦めなければならない事例なども多く報告されています。子宮頚がんは最近20~30代の若い女性に増えてきており、30代後半がピークとなっています。原因としては、初交年齢の若年化が考えられています。