「HPVワクチン」は子宮頚がんを予防する唯一の策 大規模調査で、健康被害とは無関係との結果
■男性の接種費用を助成する自治体も
イギリスでは男性81%の接種率──。男性も、HPV感染が中咽頭がんや肛門がん、尖圭コンジローマなどの発症に関係していることが明らかになっている。日本ではこれまで定期接種の対象外(=自費)だったが、今年1月、東京都は区や市などの自治体が男性の接種費用を支援する場合、その費用の半分を都が補助する方針を明らかにしている。対象は小学6年生から高校1年生までの男性だ。
HPVワクチンに対し、親が「危なそうだから」「まだ早いから」と反対するケースもあるという。子供の健康を考えて、親も正しい知識を。
なお、子宮頚がん予防においては、HPVワクチンと子宮頚がん検診の両方が必要。子宮頚がん検診の受診率は高くなく、また子宮頚がんは早期発見でも将来の妊娠時の流産や早産のリスクが高まる。異形成という、現在はがんではないがこの先はわからない、という段階で見つかった場合は、3~6カ月ごとの定期検診が必要となる。
※ワクチンには「9価」のほか、「2価」「4価」もあるが、最も予防効果が高いのは「9価」になる。