「下肢静脈瘤」による足のだるさを改善させるには?
「夕方になるにつれ足のむくみがひどく、夜中はこむら返りで目が覚める日が続いています。先日、病院を受診したところ『下肢静脈瘤』と診断されました。高齢なのでなるべく手術は受けたくないのですが……」
そう話すのは、都内に住む80代の女性。下肢静脈瘤は高齢になるにつれ罹患率が高くなる足の病気で、国内の患者数は1000万人とされています。
下肢の静脈は、ふくらはぎの筋肉のポンプ機能を利用して血液を心臓へ戻している血管で、逆流を防ぐために弁が付いています。静脈瘤は弁のしまりが悪くなり下肢の静脈に血液がたまる病気で、発症すると足の皮膚の下で血管がボコボコと盛り上がったり、むくみやかゆみ、だるさの症状が見られます。
女性に多い疾患のひとつで、出産経験のある女性の2人に1人が下肢静脈瘤を発症するとの報告もあります。
妊娠中は子宮が大きくなり骨盤内の静脈を圧迫して下肢の静脈の流れが悪くなるほか、女性ホルモンの影響で血管が拡張しやすいからです。
下肢静脈瘤は放置していても命に関わる病気ではありません。しかし、自然に治ることはなく、進行すると血管のコブが目立ちやすくなり、足のだるさが悪化して日常生活に支障を来すようになります。