リンパ浮腫ではどんなタイプのストッキングを選べばいい?
下肢リンパ浮腫の患者さんに欠かせないのが「弾性ストッキング」の着用です。これは通常のストッキングとは異なり、足を圧迫することを目的に特殊な編み方で作られた医療用のストッキングで、外側から圧を加えることでリンパの滞りを改善し、むくみを軽減させる効果があります。
弾性ストッキングといえば、市販の「メディキュット」のような着圧ソックスをイメージされやすく、実際、ご自身でそれらを購入して、はかれている患者さんも少なくありません。
しかし、リンパ浮腫の場合、むくみは足だけにとどまらず下腹部やお尻まで広がることがあります。ハイソックスや太ももまでの長さのストッキングでは、上部が輪のようになってグッと締め付けられて皮膚に食い込み、その下の部分にリンパ液がたまって、むくみはさらに悪化する恐れがあります。ですから、リンパ浮腫の方はウエストの高さで止まるパンティーストッキングや、片足ベルト付きパンティーストッキングの着用が望まれます。
弾性ストッキングでは、圧迫の強さも非常に重要です。弱圧、中圧、強圧の3段階に分けられ、リンパ浮腫が重症になるにつれて、圧迫力の強い弾性ストッキングが選ばれます。圧迫力が強いほど伸びにくく、通常のストッキングのように簡単にはくのが難しくなります。