「ギャンブル依存症」体験記(2)見知らぬ人と麻雀を打つようになったのが入り口だった

公開日: 更新日:

 当時は町じゅうに雀荘があって、違法行為という意識もありませんでした。初めは1000点50円のレートで、負けてもひと晩1万円くらいのかわいいものでした。

 編プロの若き女社長、なんていうとカッコよく聞こえますが、実際は事務所の家賃や社員たちの給料を毎月きちんと払うために、毎日必死で働いていました。契約ライターがいるといっても、アシスタントの給料や事務所維持費の大半は、私の原稿料で賄っていました。経営能力がまるでなかったので苦しかったですね。

 プライベートでも、当時、付き合っていたのが私に借金を押しつけて逃げるような男でね。それもストレスになりました。そんな男でも「私だったら何とかやっていける!」なんて、当時は根拠のない自信を持っていたんですよ。

 そんなふうに実生活はダメダメで、フラストレーションを抱え八方塞がり……。そのストレスが麻雀に向かいました。雀卓を囲んでいるときは忘れられる。口をきかず、何時間も楽しめる。言葉を交わさず、その場限りで終わりの関係、というのも煩わしくなくてよかったんです。

 麻雀って性格が出るから人間観察としても楽しかったし、もちろん、役満のように夢みたいな手で上がると快感で……。面白いことがたくさんありました。 =つづく

(構成=中野裕子)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    演技とイケオジぶりで再ブレーク草彅剛と「10億円マンション売却説」中居正広氏との“絆”

  2. 2

    元ソフトバンク「伊奈ゴジラ」の転落人生…淡路島で盗み84件総額472万円、通算5度目の逮捕

  3. 3

    大関・大の里すでに「師匠超え」の鋼メンタル!スキャンダル報道もどこ吹く風で3度目賜杯

  4. 4

    米田哲也が万引きで逮捕!殿堂入りレジェンド350勝投手の悲しい近況…《苦しい生活を送っていたのは確か》

  5. 5

    テレ朝に“ナスD”超え「1億円横領」続々の過去…やりたい放題で解雇された社員のヤバい所業

  1. 6

    東洋大姫路・岡田監督が吐露「本当は履正社に再任用で残る予定で、母校に戻るつもりは…」

  2. 7

    かんぽ生命×第一生命HD 人生設計に大切な保険を扱う大手2社を比較

  3. 8

    山下智久「正直不動産」映画化でひと儲け狙うNHKに「甘い」の声も…山P人気は下降気味

  4. 9

    レイズ看板選手「未成年への性的虐待容疑」で逮捕も…ドミニカは殺人も銃撃も「無罪放免」の実態

  5. 10

    キムタク一家の妹Kōki,は映画主演の裏で…フルート奏者の姉Cocomiの話題作りと現在