水原一平氏も陥ったギャンブル依存症は、根源に「1次感情不全」あり…精神科医が指摘
ドジャース・大谷翔平選手の元通訳、水原一平氏が告白したギャンブル依存症。「出来上がってしまった依存症は脳の病気でも、そこに至る病理は『1次感情不全』」と言うのは、東京歯科大学精神科准教授の宗未来医師だ。
「依存症は結果であって、原因ではない」
宗医師は、ギャンブル依存症の患者にそう声を掛けているという。
「『これまで本音を押し殺して生きてきたのでは? 取り繕いを重ねる我慢の人生はさぞ大変だったでしょう』と続けると、一見好き勝手にやってきたと思われがちな方が、うなずきながら涙を流されるケースは珍しくありません」(宗医師=以下同)
1次感情とは、「喜怒哀楽など動物にも共通する原始的な本音感情」を指す。一時的に強い苦痛を伴う感情も多いが、きちんと感じきれば自然に消退していく。
「しかし、厳格な家庭環境や親の期待が高すぎたり、本人の性格が繊細すぎると、傷つかないように本音の1次感情を抑圧し、そのことに麻痺してしまう。すると逆恨みや対人不信といった病的に膨らんだ2次感情が生じ、問題行動すら出現してくるのです」