周りと違っているからこそやれることも多い…後藤仁美さん軟骨無形性症を語る
その後、俳優として舞台出演の声がかかりました。「キミみたいな子を探していた」と言われたとき、たんに小さいからというだけでなく私個人を必要としてくれていることに喜びを感じました。
今は、演じることが楽しいですし、作品を作り上げていく現場が好きです。そして、作品を通して私のことを知ってもらえたらと思っています。
最近は、SNSなどで私のことを知って、声を掛けてきてくれる人も増えました。物珍しくじろじろ見られるのは嫌なことですが、ポジティブな気持ちで見てくれることは素直にうれしいです。
俳優としては、夢やファンタジーの世界に出てくる役が多いです。ただ、今後できれば日常にいる普通の役をやりたいと思っています。もちろん不思議な役もうれしいですけど、私はファンタジーじゃないし、現実に“いる”ので。会社の同僚とか、学校の同級生とか、そういう景色をみんなが見慣れてくれれば、いろんな人が生きやすくなるような気がしています。 (聞き手=松永詠美子)
▽後藤仁美(ごとう・ひとみ) 千葉県出身。イラストレーターとして活動する中、2015年にモデルとして東京コレクションに出演。17年には俳優として舞台や映像作品に出演するようになる。ドラマーとしての顔も持ち、東京2020パラリンピック閉会式ではドラム演奏を披露した。