長生きしたけりゃ最後は噛む力(2)咀嚼力アップで認知症状が改善

公開日: 更新日:

 金沢次期理事長によると、大脳皮質の面積の4割が歯・顎・唇・舌といった咬合咀嚼機能に関係しており、噛むことは脳に刺激を与え、意欲を引き出すことにつながるそうです。

 実際、MRIや脳波の測定などの実験では、噛むと脳血流が増加し、脳が活性化することが証明されています。さらに、嗅覚や味覚、触覚といった感覚をつかさどる脳の領域が活発に動くことも確認され、特に高齢者では思考、学習など高度な働きをする前頭前野、記憶をつかさどる海馬が活性化されることもわかってきたのです(東京都健康長寿医療センター研究所など複数の研究)。

 認知症歯周病とも関係があるといわれています。国立長寿医療研究センターの調査によると、慢性歯周炎のある人には明らかな認知機能の低下が見られるということです。

 認知症の中でもっとも多いアルツハイマー病は脳にアミロイドβが蓄積されることが原因と言われています。歯周病菌はこのアミロイドβの蓄積を促進するのではないかとも考えられているのです。2013年には米国の医学専門誌(「JAD」)で、アルツハイマー病の患者の脳から歯周病菌が検出されたと発表され、話題になりました。現在も各国で歯周病菌とアルツハイマー病の関係を示す研究が行われています。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷に懸念される「エポックメーキングの反動」…イチロー、カブレラもポストシーズンで苦しんだ

  2. 2

    阿部巨人V奪還を手繰り寄せる“陰の仕事人” ファームで投手を「魔改造」、エース戸郷も菅野も心酔中

  3. 3

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

  4. 4

    吉村知事の肝いり「空飛ぶクルマ」商用運航“完全消滅”…大阪万博いよいよ見どころなし

  5. 5

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6

    一門親方衆が口を揃える大の里の“問題” 「まずは稽古」「そのためにも稽古」「まだまだ足りない稽古」

  2. 7

    大谷ファンの審判は数多い あいさつ欠かさず、塁上での談笑や握手で懐柔されている

  3. 8

    小泉進次郎の“麻生詣で”にSNSでは落胆の声が急拡散…「古い自民党と決別する」はどうなった?

  4. 9

    ドジャース地区連覇なら大谷は「強制休養」の可能性…個人記録より“チーム世界一”が最優先

  5. 10

    ドジャース地区V逸なら大谷が“戦犯”扱いに…「50-50」達成の裏で気になるデータ