シミを消したい! 治療を受けるなら押さえておきたいポイント
トラネキサム酸は、肝斑の形成に関係するアラキドン酸、プロスタグランジン、ロイコトリエンといった生体内情報伝達物質の産生を抑制する働きがある。それによってメラニン合成が減少し、肝斑が改善される。
「肝斑では、トラネキサム酸と美白剤の併用を8週間を一つの目安として使ってもらいます。効果がイマイチであれば、ケミカルピーリングやトレチノイン併用療法で表皮のターンオーバーを亢進させてメラニンの排出を促します。一方、肝斑との鑑別が困難なシミとして、『後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)』があります」
見た目はそっくりだが、肝斑は皮膚の浅い部分に原因があるのに対し、ADMは、皮膚の深いところに原因がある。
「そのためADMでは強めのレーザー治療を複数回行う必要があります。とにかくADMはレーザー治療一択。肝斑で用いる美白剤は皮膚の深部まで届かず、全く効果が見られません。逆に肝斑をADMと間違えて強いレーザー治療を行うと、肝斑が増悪しかねない」
■シミの種類と場所によって治療法を変える