夏山の「低体温症」に要注意!1日10人の死亡事例も…綿素材の下着にもリスクが
「高山では朝夕や悪天候時にはかなり気温が下がります。建物など雨風をしのぐ場所が近くにあるとは限らず、安全地帯までの行動もまた体力や体温を削る要素となります。荒天が予想されるときは登山の中止や計画変更を考える。防水透湿性素材の雨具や靴に加え、足元が濡れにくいようにショートスパッツを併用してもよい。水分や食事をしっかり取ることなどが重要です」
では、夏山で低体温症を疑う症状が出たら、どうすればいいのか?
「まず寒さや雨風を遮る対策をすること。熱をつくり出すための燃料となる炭水化物や温かいものを取ること。また、濡れた衣服は脱いで、乾いた衣類の重ね着で体の表面に空気の層をつくること。ペットボトルや水筒のお湯で湯たんぽを作って脇や股間を温めるのもいいでしょう」
本格的に深部体温が下がると、医療機関において胃洗浄や人工心肺の導入など、大がかりな治療が必要となることもある。低体温症になれば本人はもちろん周囲にも迷惑がかかる。夏山登山を予定している人は低体温症を正しく知り、万一の場合に適切な対策を行うだけの準備をしておくことだ。