国内利用者は7万人…「義足」にはどういった種類があるのか?
義足を装着して歩行できるための筋力が必要
ただ、義足は装着すれば誰でも簡単に歩ける“魔法の道具”ではないので、義足を装着して歩行できるための筋力が必要です。それを確認する方法として、下腿義足であれば「膝立ちができるか」、大腿義足や股義足であれば「片足で椅子から立ち上がれるか」「片足立ちができるか」が、一つのポイントになります。
足を切断したからといって、必ずしも義足を作るとは限りません。患者さんの生活状況にもよりますが、家の中では杖をついて片足歩きをしたり、外出時は車椅子で移動するなど、義足を作らないで過ごしている方もいらっしゃいます。
切断後に義足で歩けるようになりたいのか医師がヒアリングを行い、希望された方に対しては義足を作る準備に取り掛かります。
次回は、意外と知られていない義足作製の流れについてお話しします。
▽寺門厚彦(てらかど・あつひこ)1995年聖マリアンナ医科大学卒業。2005年順天堂大学リハビリテーション医学助教を務め、06年公益財団法人鉄道弘済会義肢装具サポートセンター付属診療所嘱託医。19年順天堂大学足の疾患センター装具外来を担当。