糖尿病で足の切断に至ってしまうケースはどれくらいあるのか
糖尿病性足病変の患者さんが日頃のフットケアを怠って、抗生物質が効かないほど感染が広がってしまったり、暴飲暴食や喫煙を続けて動脈硬化が進行すると、虚血が進行してカテーテル挿入による血行再建術が難しくなります。そうした既存の治療法でコントロールが不能になれば、足を切断せざるを得なくなります。実際、国内に200万人いるとされる糖尿病患者のうち、少なくとも約2~3%は切断に至っている現状です。
切断が避けられなかった場合には、つらい処置を行うことになります。足を切断する位置は、感染の広がりや血行の有無、解剖学的な所見から判断します。人間はかかとがないと地面からの衝撃を吸収できず歩けないので、足の指を切断する際はかかとを残しますが、感染や血行障害の範囲がかかとを越えている場合には、まずは体重をしっかりと支えられ、義足がしっかりとはまる膝下約15センチからと決められています。
通常、足の切断手術は全身麻酔下で行うため手術中に痛みはありません。ですが、人によっては麻酔から覚めると、術後に失った足がいまだに存在しているかのような感覚や、時には痛みすら感じる「幻肢」を訴えるケースもあります。