著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

最新ワクチンでなければコロナ重症化は予防できない? 米国医師会の内科専門誌に論文

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルスは世界各地で独自の変異を繰り返した結果、さまざまな変異株が報告されています。2023年から24年の初頭にかけて、同ウイルスの主流株はオミクロン変異株の派生型であるXBB系統でした。そのため、23年秋冬の接種において用いられた新型コロナウイルスワクチンも、XBB.1系統に対応していました。

 一方、XBB対応ワクチンの有効性を検討した質の高い研究データは限られており、従来のウイルス株に対応したワクチンと比べて優れた予防効果を期待できるのかについて、議論の余地も残されていました。そのような中、新型コロナウイルス感染症による入院リスクに対するXBBワクチンの効果を検討した研究論文が、米国医師会の内科専門誌に、24年6月24日付で掲載されました。

 米国で行われたこの研究では、新型コロナウイルスの検査で陽性を認めた入院患者2854人と、検査で陰性だったものの、咳や発熱、咽頭痛など、呼吸器感染症の症状で入院した1万5345人が対象となりました。研究参加者に対して、新型コロナウイルスワクチンの接種状況を調査し、入院リスクとの関連性が検討されています。なお、研究結果に影響を与え得る年齢や性別、治療中の病気の有無などの因子について、統計的な補正が行われています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇