アルツハイマー型認知症のリハビリで注意すべきポイントは?
また、アルツハイマー型の患者さんは精神的な症状の特徴から「無関心になる=陰性症状」「穏やか」「怒りっぽくなる=陽性症状」という3つに大きく分けられます。リハビリを行う際はそれぞれの傾向に合わせて進めなければトラブルの原因になってしまいます。
同じアルツハイマー型でも、いつも穏やかでニコニコしている“ボケ老人”であれば好かれますが、いつも興奮して怒っている方は嫌われてしまいます。何事にも無関心でまったく反応がない方も周りは困ってしまいます。ですから、その症状評価をして、まず環境調整と関わり方によって陽性と陰性が改善するように試みます。しかし、それが難しい場合は、陽性や陰性の方を薬による治療で「穏やか」な状態までコントロールする必要があります。
ただし、陽性と陰性では真逆の治療が必要です。すぐに興奮して怒り出す陽性の方は前頭側頭型認知症の病態を合併されている方が多く、漢方薬や向精神薬を使って穏やかになるようコントロールしていきます。一方、無関心な陰性の方には、反応が出るように抗認知症薬を調整します。抗認知症薬は基本的に運動機能や精神機能を刺激してあげる作用があり、陽性の方に使うとさらに興奮して怒りっぽくなってしまうので、同じアルツハイマー型でも薬の使い方には注意しなければなりません。