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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

がん化学療法の終了を報告…英キャサリン妃の気になる病状

公開日: 更新日:

 英王室キャサリン妃のビデオメッセージが話題です。「ようやく(がん治療の)化学療法を終えることができて、言葉にできないほどホッとしています」と語り、ウィリアム皇太子や3人の子供たちと過ごすシーンも見られますが、「完全回復への道のりは遠い」とも語っています。

 キャサリン妃に健康問題が浮上したのは今年1月。ロンドンの病院で腹部の手術を受けていて、このときはがんではないという報道でしたが、その後、がんであることが判明し、化学療法を受けていることが報じられました。

 がんの部位も進行度も公表されていません。一連の報道を見ていると、卵巣がんか子宮体がんかもしれません。あくまでも推測ですから断定はできませんが、ここから先は一般論としてお話ししましょう。

 卵巣がんは乳がんと同様に少子化の影響で増加傾向です。女性ホルモンは卵巣や子宮、乳腺などの成長には重要なホルモンですが、過剰に作用するとがん化させやすいことが分かっています。少子化では生理が続き、その分女性ホルモンの影響も続くので、多子社会だった昔の女性に比べてこれらのがんが増えているのです。

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