要介護認定の壁をどう乗り切るか…申請を嫌がる親への説得法
日本の介護保険制度は家族の負担を軽減し、介護を社会全体で支えることを目的に2000年に創設された。保険料は40歳から加入している健康保険料の一部として天引きされ、65歳になると年金の受給額に応じて天引き、もしくは納付することになる。そしていざ介護保険サービスが必要になった時、原則1割の負担割合で利用することができる。
ほとんど天引きされることに違和感があるだろうが、今の超高齢化社会では普通に生きていても介護保険の世話になる可能性が高い。利用できる状態になったら遠慮なく使っていくのが賢い選択だ。けれど、それを利用する本人が嫌がるケースが珍しくない。
理由は「自分はまだ介護を必要としていない」という矜持。というと聞こえはいいが、要介護認定を受けることを「恥ずかしい」「みっともない」などと、マイナスイメージを持っていることが多い。真面目な性格の高齢者によく見られる。
実は筆者が申請に関わった義父、義母、実母、全員がこの反応を示した。自分に要支援、要介護のお墨付きが付くことがどうにも嫌だとゴネ、人の力など借りなくても自分で何とかできると言い張った。とはいえ、認定されないと介護施設の利用や自宅での家事援助、福祉用具の利用などを頼れない、もしくは実費扱いになってしまう。