無理をして帰らなくてよかった…俳優の小堀正博さんギラン・バレー症候群との苦闘
でも、そのうち力の入らない手でペンを持って辛うじて字が書けるようになり、ゴールデンウイークが明けると喉の穴を閉じて完全な自発呼吸になりました。
その後は、回復期に入り、ひたすらリハビリ。1日3時間ぐらいやっていましたが、しんどくなかったです。むしろ楽しかった。初めは1日1歩どころか0.2歩ぐらいしか進まない状況でしたけど、日々自分の成長が感じられて前向きになれました。先生方も「これなら早いで、回復」と、回復の可能性が高い話をしてくれるので、希望を持って取り組めたのです。
退院したのは7月26日です。杖と装具を着けていれば、1キロぐらい歩ける状態まで回復しました。初めは左足首がだらんと垂れてしまうので固定するために装具を着けていました。退院直後はゆっくりにしか歩けなくて、立っているだけでしんどいので買い物も大変でした。
でも8月の終わりから9月の頭には、自分の中では日常の不便が少なくなった印象です。まだ走ったりは難しいんですけどね。
病気が突然すぎて、戸惑うばかりでしたが、割と前を向くのは早かったかな。車イスで過ごせるなら、それはそれで楽しいかもと思えたんです。たくさんの人の支えや回復した人の話に希望を与えてもらいました。だから僕も回復した例として、誰かの希望になれたらうれしいです。