増加している早期乳がんは“切らない”治療で治す…再発率は切除と同等

公開日: 更新日:

 術後の合併症として皮膚のやけどや乳房のしこり、皮下出血が報告されているが、いずれも時間の経過とともに改善されるという。

 また、標準治療である乳房温存療法と同様に、治療後に放射線治療を組み合わせる必要がある。

「放射線治療を終えた3カ月後に針生検でがんの焼き残しがないか確認し、万が一、腫瘍の残存が見つかった場合には手術を行います。これまでの報告では、部分切除に移行した割合は2.6%程度と少ないことが明らかではありますが、RFAの実施から5年間は定期的に通院して経過観察を行っています」

 今回、適用になったのは、腫瘍の直径が1.5センチ以下の早期乳がんだ。ほかにも腋窩リンパ節への転移が認められない限局性早期乳がん、放射線治療や抗がん剤治療の既往歴がない、20歳以上の女性といった厳密な条件が定められている。

「RFAは切除の手間がない簡便な方法なため、2000年代初頭に自費診療下での治療が一部の医療機関で普及して、適応のルールが定められないまま実施されていました。その結果、再発や転移が見つかる患者が続出した苦い歴史があります。そこで、日本乳癌学会は適正使用指針を定め、厳密な適用基準だけでなく、術者側に対しても認定制度を設けています。日本乳癌学会のHPでは患者さん向けにRFAに関する情報が公開されているので、適宜チェックするといいでしょう」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…