「運動」が乳がん再発リスクを下げる…1週間トータル1時間で25%低下
乳がん経験者向けの運動・食事指導を専門とする奥松功基さん(スポーツ医学博士/トレーナー)によれば、運動をするかしないかで、乳がんの再発リスクに歴然とした差が出るという。
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「世界中のさまざまな質の高い研究をまとめて再解析する研究(メタアナリシス)を乳癌学会が行った結果、運動をすることで再発リスクと死亡リスクは低下するというデータが発表されています」(奥松さん=以下同)
日本乳癌学会の患者向けガイドライン(2019年版)では「適正体重を維持すること」「運動不足を防ぐこと」が再発予防として推奨されており、1週間にトータル1時間程度運動をする人は、まったくしない人と比べて再発リスクは25%低下。死亡リスクも、40%下がるというデータが示されている。
乳がんを経験すると治療の影響で筋肉量が減りやすく、太りやすくなる人もいる。そうやって体脂肪が増えると、乳がん発症・再発に関係する女性ホルモンの産生量も増える。
「一方、がんの治療後、抗がん剤などの影響で10年分の筋肉量や持久力が減ることが論文で報告されています。乳がん経験者対象の持久力に特化した論文では、50代の乳がん経験者の女性の持久力は、60代のがんと診断されていない女性とほぼ同じというデータが発表されています」