親が加入している保険証書の情報を家族で共有しておく
前回、介護費用の支払いや後の相続を想定し、親名義の預貯金や株について把握することに触れた。イザという時、すぐに引き出すことのできる現金の存在はとても大きいからだ。しかし、これだけで安心するのは早い。介護費用の補填やもっと先のことを想定した他の資産についても、家族で共有することが大切だ。
多くの人が加入しているであろう医療保険は、入院や手術、通院の給付が設定されている。その掛け金が高いほど、まとまったお金として戻ってくる。
たとえば、筆者の知人の家では、85歳の母親が骨折で約1カ月入院した後、回復期リハビリテーション病棟に3カ月入院。その4カ月分の入院医療費総額が約45万円になったが、1日当たり1万2000円の入院給付により約150万円を受け取ることができた。
つまり差し引き100万円浮いたわけだが、知人はそんな保険に入っていることを知らず、念のためにと入院中の母親に尋ねたら「そういえば……」と教えられたとのこと。そこで慌てて保険会社に必要な書類を確認し、無事手続きをすることができた。