(14)老化は「44歳」と「60歳」で加速する

公開日: 更新日:

 この研究によって、老化の分子マーカーにおいて一貫した非線形のパターンが発見された。

 具体的には、年齢が44歳と60歳前後に達した時点で、特定の分子や機能経路の異常が顕著に見られることがわかった。たとえば、免疫調節や炭水化物代謝に関する経路が60歳ごろで変化し、40歳ごろには心血管疾患や脂質代謝、アルコール代謝に関連する経路の変化が確認されたのだ。こうした分子レベルでの変化は、老化に伴う疾患リスクの増加と関係していると考えられている。

「スタンフォード大学のこの研究は、老化が年齢に比例して進むわけではなく、特定の年齢でリスクが増大することを示しており、従来の『仮説駆動型研究』に対する新たな手法として注目されています。日本では従来、仮説に基づいて特定の分子や遺伝子を詳しく追跡し、ノックアウトマウス(遺伝子操作により特定の遺伝子を欠損させたマウス)の表現型を調査する研究が中心でした。その成果は国際的な論文として評価されてきましたが、現在の世界的なトレンドは新たなものになってきています」


■世界中で注目されるマルチオミクス解析

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 2

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  3. 3

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  4. 4

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  5. 5

    阪神・藤川監督が酔っぱらって口を衝いた打倒巨人「怪気炎」→掲載自粛要請で幻に

  1. 6

    巨人・小林誠司に“再婚相手”見つかった? 阿部監督が思い描く「田中将大復活」への青写真

  2. 7

    早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差

  3. 8

    「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

  4. 9

    フジテレビを救うのは経歴ピカピカの社外取締役ではなく“営業の猛者”と呼ばれる女性プロパーか?

  5. 10

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された