誰かと食事をすると食べる量が増え、アイデア力が上がる
大昔は、食料が貴重で日々の食事が生命維持に直結することも珍しくありませんでした。
そのため、進化心理学的には人とテーブルを囲み、食べ物を一緒に食べると「競争」が発生すると考えます。無意識に「相手にいっぱい食べられてしまったら自分の分がなくなる」という不安が生じることで、初対面の人との食事であっても食事量が増えると推測されているのです。
また、秋田大学の藤原は、共食が共同問題解決に与える影響について研究(2023年)を行っています。
実験では、84人の大学生を対象に、2人組×42グループをつくり、そのグループを一緒に食事をとる共食チームと、一緒に食事をとらない非共食チームに分けて実施しました。その上で、共同問題解決課題として「スーパーの売り上げを2倍にするにはどうすればいいか」について話し合ってもらい、共食チームへはお菓子と飲み物を、非共食チームには何も提供せずに話し合ってもらいました。そして、各グループのアイデアを、大学生男女4人が「新しさ」「面白さ」「実現可能性」など5件法で独自に評価したというのです。