備えあれば憂いなし 老い支度本特集
「老いてもヒグチ。」樋口恵子著
「老いてもヒグチ。」樋口恵子著
評論家で現在92歳の著者は、70代までは海外旅行にも仕事にも出掛けていたが80歳を過ぎた頃からだんだん怪しくなってきた。このままでは老化道をまっしぐら。いや、まっしぐらではなく「ヨタヨタヘロヘロ」と進むだろうと考えた。そんな「ヨタヘロ期」を無事に生き延びるには何が必要か。
まず、80代半ばを過ぎるとみんな「ヨタヘロ」になることを覚悟すること。1人暮らしの場合、自宅で倒れたときなど、助けを求める先を決めておくことも重要だ。
また後期高齢者ともなると、体力が落ち何をするのも億劫になりがちだ。かといって何もしないでいると体調も部屋も荒れるので、たとえば家事をアウトソーシングしたり、意識して人と会う機会をつくって出掛けるといい。その際、一緒に食事をすれば低栄養リスクも避けられる。
ほかにも「受け入れ、感謝する受援力」を磨き、高齢者なりの運動の必要性、生涯いち消費者、いち有権者の意識を持つなど。
著者の実感や調査データから超高齢期の心得を説く。
(清流出版 1650円)