長引く「しゃっくり」に潜む病魔…2日以上続いたら要注意
「ヒック、ヒック」──。突然始まり、なかなか治まらないしゃっくり。体力を消耗し、仕事や勉強に差し支えるだけに困惑している人もいるはずだ。通常は数分から数時間、長くても2日ほどで治まるが、それ以上長引く場合は注意したい。重大な病気が潜んでいる可能性がある。弘邦医院(東京・葛西)の林雅之院長に聞いた。
「しゃっくりは吃逆とも言い、横隔膜、肋間筋、前斜角筋などの呼吸器筋のけいれんにより発生します。『ヒック』という独特な音声は、急に空気が気管内に吸い込まれた際に、声帯筋が収縮して閉塞した声帯を呼気が通過するために起きるのです。通常、しゃっくりは数分から数時間、長くても2日ほどで治まりますが、それ以上長引くなら、病気や薬の影響であることも考えられます」
しゃっくりはもともと胎生期の原始反射(赤ちゃんの生命維持、神経の発達を促すのに必要な動き)のひとつ。胎生期に鼻や喉の異物を除去するための仕組みだという。しかし、出生後は必要なくなるため、成長と共に発生しにくくなる。
「しゃっくりは持続時間により3つのタイプに分かれます。『良性』(48時間以内)、『持続性』(2日~1カ月)、『難治性』(1カ月以上)で、人によっては数年にわたることもあります。高齢男性のしゃっくりの中には、うつ状態、食欲不振、睡眠障害、体重減少、栄養障害を伴うこともあります。就寝中は止まり、目が覚めると始まるケースもあります」