著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

(2)作用の持続時間で分類…睡眠導入剤に期待される効果と副作用

公開日: 更新日:

 代表的な不眠症の治療薬として、ベンゾジアゼピン系薬剤とZ-ドラッグ(非ベンゾジアゼピン系薬剤)を挙げることができます。両者の作用メカニズムはほぼ同じで、脳の活動を抑えることで睡眠を誘発するため、「睡眠導入剤」と呼ばれます。

 睡眠導入剤の種類は豊富ですが、作用の持続時間から、超短時間作用型(トリアゾラムなど)、短時間作用型(ブロチゾラムなど)、中間作用型(フルニトラゼパムなど)、長時間作用型(クアゼパムなど)に分類されます。

 寝つきが悪い方には、超短時間型や短時間型の薬を、寝ている途中で目が覚めてしまう方には中間型など、作用時間の長い薬を使います。ただし、作用時間が長い薬ほど、翌日まで効果が持続してしまうことが多くなります。

 ベンゾジアゼピン系薬剤の有効性を検討した45研究の統合解析(メタ分析)によれば、プラセボ(偽薬)を飲んだ場合と比較して、ベンゾジアゼピン系薬剤を飲んだ場合で、入眠時間が4.2分短縮し、総睡眠時間が61.8分延長しました。

 一見すると、わずかな時間差しかないと思えるかもしれません。しかし、不眠に悩む人にとって、入眠時間が4分でも短縮できることは小さくない効果だと言えます。この解析でも、患者報告に基づく入眠時間の短縮は14.3分と報告されていました。つまり、客観的に評価された4.2分の短縮は、体感的には14.3分の長さとして経験されていたわけです。

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