石橋貴明さんが公表した「食道がん」の誤解と盲点…早期発見のポイント
食道がんは、食道の内面を覆う粘膜の表面に発生する。
初期だと、自覚症状はほとんどない。どのようにすれば早期発見できるのか。
厚生労働省のがん検診の指針では、胃がん検診は「問診に加え、胃部X線検査(バリウム検査)または胃内視鏡検査(胃カメラ)のいずれか」を推奨しているが、会社や自治体の健診では、まずバリウム検査を実施し、異常が指摘された場合に、精密検査で胃カメラに進む場合が多い。
ここに食道がん検査の盲点がある。バリウム検査は胃や食道の検査と説明されているが、早期の食道がんは進行がんと違い、わずかな隆起や陥凹の形態をとることが多いため、バリウム検査では見落としてしまうことが多い。やはり、胃カメラを通して直接的に食道の内部を観察することが早期発見のポイントとなる。
「酒を飲んで顔が赤くなる人は食道がんのリスクが高いことを自覚し、定期的に胃カメラを受けると安心でしょう」と山本医師はアドバイスする。
胃カメラは、人間ドックを受ける人ならオプションで加えることができる。そうでない人は、内視鏡の専門医のいる医療機関に相談するといいだろう。
この場合、声のかすれや食事のつかえ感などの自覚症状があれば、治療目的で検査を受けられるが、検診目的の場合は10割負担になることも留意すべきだ。
(取材=大家俊夫/医療ジャーナリスト)