“新御三家”海城中学高等学校が取り組む「自ら考える教育」
「山椒は小粒でもぴりりと辛いという表現がピッタリ。派手さはないけど、とてつもない潜在力を秘めている学校だと思います」
こう、母校を評するのは海城中学高校(東京・新宿区)のOBだ。1960年代まで海城高は都立高のすべり止めという位置づけだった。67年に学校群制度(82年廃止)が導入され、都立高は凋落。それに呼応するかのように、海城は中高一貫体制の充実を図り、進学校としての位置を固めていった。なお、2011年からは高校の生徒募集を中止し、完全中高一貫化を果たしている。
海城が進学校として注目されだしたのは1984年。東大合格者数が19人と、初めて2桁を記録。80年代終わりころになると、都内私立中高一貫男子校の御三家(開成、麻布、武蔵)に対し、駒場東邦、巣鴨とともに「新御三家」と呼ばれるようになる。94年には東大合格者数全国8位と初めてトップ10入り。以降、トップ10の常連となった。
「その割にはメディアに登場することが少ないのが残念というか、海城らしい。地味なんですよね。目立てばいいとも思っていないんですが、同僚や取引先の社員と高校時代の話になって、僕が海城出身といっても、ピンとこない人のほうが圧倒的に多い。ちょっと寂しいですね」
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