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田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

“新御三家”海城中学高等学校が取り組む「自ら考える教育」

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 その仕上げとなるのが中学3年の社会Ⅲ。各生徒がテーマを決めて取材をして、教員が個別指導しながら、卒業論文を作成する。400字×30~50枚を書き上げるのだから、かなりの分量になる。

「この社会Ⅰ・Ⅱ・Ⅲが導入されて四半世紀以上になりますが、学校全体にとっても非常に大きな意味がありました。80年代以降、東大合格者数はほぼ右肩上がり増え続け、受験校として注目されるようになっていく。しかし、それだけでいいのかという疑問が教職員の間で膨らんできた。そこで、詰め込み式ではない教育システムをつくり上げるために、社会Ⅰ・Ⅱ・Ⅲが生まれ、他教科でもそれが生かされていったのです」(同)

 生徒が自分で考える力をつける。その教育方針は結果として、大学受験実績にもつながっている。「週刊東洋経済」(8月29日号)が「難関国立大合格者数 都道府県別トップ300校」というレポートを出している。旧7帝大と東工大、一橋大、神戸大の10校の2020年合格者数でランキングしたもの。海城は113人(東大59、京大9、北大12、東北大4、名大2、阪大3、九大2、東工大13、一橋大7、神戸大2)で、東京では開成、都立国立に次いで堂々の3位だった。

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