飲み過ぎはよくないけれど…1週間にビール中瓶6本までなら認知症のリスクが低下
毎日のように大量飲酒を続けると、認知機能をつかさどる前頭葉が少しずつ萎縮していきます。アルコール依存症の人の脳を調べると、前頭葉と海馬が萎縮していることがとても多いのです。
忘年会が楽しくて、先ほど示した適量を2~3単位飲んでしまったら、その分、2、3日飲まない日を設けることが大切。そうやって調整するとよいと思います。
■一人飲みと寝酒には注意
飲み過ぎとの兼ね合いでとりわけよくないのが一人飲みです。つらさを紛らわせるための寝酒もよくありません。
この連載で何度となく指摘しているように、高齢者のうつでも物忘れ症状が見られ、それを放置すると深刻化し、自殺リスクがありますが、きちんと治療すればよくなります。
ところが、つらさを紛らわせるような一人飲みや寝酒を繰り返していると、神経伝達物質のセロトニンが枯渇していき、一人でこもる生活が続き、睡眠の質も悪化。うつ症状を悪化させてしまう恐れが高いのです。ですから、お酒を飲むときは、家族や仲間と楽しくほどほどに。これを肝に銘じておくことをお勧めします。