家一軒分? 子供が大学までにかかる「リアルな費用」を算出 第3子の児童手当648万円も焼け石
【中学生】携帯電話料金も加わって約470万円
ここからは抜粋した金額で見てみよう。
さすがに食べ盛りとあって年間の「食費」は35万6663円に上昇。「おこづかい」は年3万9022円、「携帯電話料金」も2万2624円かかる。年間平均155万5567円で、3年間のトータルは約470万円だ。
■【高校生~大学】高校で最大600万円、大学は1000万円
文科省によると、公立高校の平均学費は約46万円、私立高校が約97万円となっている。国による低所得世帯向けの助成金のほか、財政の豊かな東京都のように都立高の授業料年11万8800円、私立高の授業料年47万5000円を補助してくれる自治体も出てきたが、多くの子育て世帯でこの金額が重くのしかかる。公立か私立かで金額こそ違うが、高校3年間で450万~600万円だ。
大学無償化が始まっても理系は上限を超えてしまう。娘なら成人式の振り袖のレンタルだけで30万円ほど。海外留学させたいとなると、さらに数百万円単位の出費だ。
留学エージェント「留学ワールド」によると、アメリカの大学の年間費用は380万~600万円。仮に「3人以上の多子世帯」で大学授業料が無償化になっても、4年間で約600万円の出費。無償化の対象外で、かつ私立大学なら学費と生活費で1000万円以上となる。
最終的に0歳から大学までで約3000万~3500万円はかかりそう。第3子以降の児童手当648万円をもらえても、家一軒分くらいのお金が余分にかかることになる。
日本人の大学・大学院卒の生涯賃金(2020年)は約2億6190万円。これに対し税金や社会保障の国民負担率は46.8%(2023年)なので、手取りは約半分の1億4000万円。これで3人以上の子供を育てるのは至難の業と言える。