カメムシ注意報が東京都でも発令中!大量発生で果物や米の値段また高騰か?
今年はカメムシの“当たり年”になりそう。カメムシの大量発生を予測する「注意報」が東京都など全国各地に拡大している。東京では「チャバネアオカメムシが4月第5半旬(21~25日)以降、過去10年間で最多」となっており、都の病害虫防除所が対策を呼びかけている。カメムシが本格的に活動するのは夏から秋にかけてのこれからの季節だ。
■殺虫剤の売り切れが続出中
家の中に密かに侵入する臭い虫。「ヘクサムシ」「ヘッピリムシ」「ヘコキムシ」など地方によって呼び方は変わるが、アルデヒド類など揮発性ガスを脚の付け根から出すのが特徴(出さない種も多い)。ストローのような口吻を刺してリンゴなどの果実や穀物の汁を吸うことから「農業害虫」としても嫌われている。さらにカメムシは、ムカデやナメクジ、ハチやクモといった「不快害虫」のひとつでもある。
成虫は7月ごろから活動が活発になり、10月から11月ごろになると越冬場所を求めて家の屋根裏やサッシの隙間に集団で集まる。この際に一部が家屋内に侵入して異臭を放つため、不快害虫として嫌われてしまうのだ。
当然、大量発生で殺虫剤や駆除剤はどこも品薄・売り切れ続出だ。
「『カメムシコロリ』はカメムシが悪臭を発する前に退治する冷却性のスプレーです。ただ、急に需要が増えたため、欠品が多くなっています」(アース製薬広報担当者)
カメムシの大量発生が早くも始まっているようだ。とはいえ、嫌われ者のレッテルは人間側から見た勝手な発想。カメムシは豊かな里山をつくる立派な構成員で、他の害虫を駆除する益虫の役目を担う種もある。アンパンマンの生みの親・やなせたかしさんが作詞した「手のひらを太陽に」では、〈♪ミミズだって オケラだって アメンボだって みんな みんな生きているんだ~〉と歌うが、カメムシだってもちろん同じ。アメンボはカメムシの遠い親戚だ。
一方、害虫として嫌われている半面、金緑色に輝くニシキキンカメムシなどは「歩く宝石」とも呼ばれ、多くの愛好家がいる。