飲食業界は人件費削減に必死…時短と休みが多く思ったほど稼げない
ところが事態が変わった。元木氏が高校時代の同級生にいきさつを話したところ、偶然にもA社のB役員と知り合いだった。同級生がB役員に元木氏を売り込み、「面談したい」との返答が得られた。
「フリーランサーとして仕事をもらえればと思ったんです」
元木氏は東京帰りのデザイナーらしいオシャレないでたちでA社を訪問。50代のB役員にこれまで手がけたポスターやパンフレットなどを披露した。いずれもテレビでCMが流れている大手企業のものだ。
B役員はそれらの作品をしげしげと見たあと、「元木さん。フリーではなく、当社に常駐してもらえませんか」と要請してきた。ハローワーク経由では門前払いだったのが一転して、月給25万円で働いて欲しいというのだ。
「先方は『東京で経験を積んだあなたみたいな人が欲しかった』というのです。ビックリしました」
現在、元木氏は「事業部長」の肩書を与えられ、若手の指導をしている。
(林山翔平)