女性の性の悩みやセックスレスはタブー視されがち。有楽町でのイベント開催は大きな一歩だ!
性に関する「ホンネ」を語れる場
セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方をテーマにブログやコラムを執筆している豆木メイです。
【解消されない夫婦のモヤモヤ】
2024年12月、有楽町マルイ(東京・千代田区)で「みんなの夜のホンネ展」というイベントが開催されました。主催したのは、女性の性のお悩み相談サービスを提供する「オトナのお悩み保健室」です。
人には言えない性の「あるある」や「ホンネ」を集めた展示や独自調査のデータ公開、さらには女性向けブランドとのコラボ商品販売など、プレゼント企画など、話題性のある内容が盛りだくさんのイベントでした。
普段から性に関する発信をしている私としてはとても興味深く、行きたかったのですが、残念ながら予定が合わず断念…。
その代わりに、イベント内で行われたトークショーのアーカイブ動画を視聴しました。
今回は、性愛コミュニケーターの森林原人さんとセックスレス・夫婦仲コメンテーターの三松真由美さんが登壇したトークイベント「ふたりの間に何が起きている? ~レス夫婦増加の理由~」を視聴して感じたことをお伝えします。
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結婚・恋愛・セックスは持続可能?
まず、森林原人さんから「結婚・恋愛・セックスの三位一体は成立するのか?」という問いには深く考えさせられました。
一人の人を一生愛し続け、性的な関係を継続することの難しさを率直に述べていてとても共感する内容でした。
特に印象的だったのは、「欲望は変化するものだから、永続的に一人の人と向き合い続けるのはまず無理」という前提。
では、どうしたら良いのか? という具体的なアプローチが議論されていました。
続きはぜひアーカイブ動画を見て欲しいのですが、男性と女性の性欲のあり方の違いや、社会的な立場が夫婦関係にもたらす影響などかなり深掘りしていてとても興味深いものでした。
筆者自身、10年以上のセックスレス状態なので性的な関係を維持する難しさは痛感しています。相手を異性として見られなくなるとそこからの回復は非常に困難です。
性愛を伴わない夫婦関係を受け入れるのも一つの選択肢かもしれませんが、それも寂しいもの。結果的に、不倫や離婚という選択肢が頭をよぎるのは自然な流れなのでしょう。
子どもがいる場合や経済的・精神的な依存関係にあるとセックスレスだけを理由に離婚するのは難しいのがほとんどでしょう。
これが世の中から不倫がなくならない要因の大きな一つだと感じています。
「性的承認」がもたらす危うさ
もう一つ興味深いトピックは、「承認欲求」と「性的に求められること」を結びつけるリスクについてです。
性的に求められることで得られる承認欲求が、時に性的な搾取となってしまう可能性があるのは確かにその通りだと思います。
筆者の場合は、仕事やSNSでの発信活動を通じて社会的な承認欲求はある程度満たされています。しかし、性的承認に依存してしまうと、夫婦関係が破綻したときに大きな孤独感に苛まれるのではないかと感じます。
経済的に自立していない女性の場合、この依存はさらに深刻な問題となり、離婚したくてもできない、選択肢が狭まるという現実が待ち受けています。
森林原人さんは、AV男優というキャリアを持ちながらも、男性中心の視点で制作されがちな業界を冷静に捉え、女性の視点に寄り添った意見を述べていたのが非常に印象的でした。
実は過去に彼の著書を読んで感想を本コラム「AV男優本が想定外にイケてた!レスの“3大悲痛”を軽減させるヒントあり」に書いたことがあります。
有楽町マルイで性を語れる空間の意義
普段から女性の性の悩みやセックスレスについてSNSで盛大に発信している私ですが、このテーマは依然としてタブー視されがちだと感じます。
そんな中、有楽町マルイというアクセスしやすい商業施設で、性に関するイベントが開催されたことは、女性の性の開放への大きな一歩だと思います。
本来であれば、性の悩みを友人同士でカジュアルに話せる環境が理想です。しかし、現実には「こんな話、誰に相談すればいいのだろう…」と一人で悩みを抱え込む女性が多いのではないでしょうか。
性についてもっと気軽に話せる雰囲気が広がれば、自分の悩みを抱え込まずに済む人も増えるはずです。このイベントが、そんな新しい風を吹き込むきっかけとなることを心から願っています。
※トークイベントのアーカイブ動画
「ふたりの間に何が起きている? ~レス夫婦増加の理由~」
(豆木メイ/フリーライター)