歴史的転換点に立つ大阪市の喫煙規制(3)コロナ禍より経営が厳しい飲食店に喫煙規制が追い打ち
灰皿設置店にとってはいい迷惑である。そんな混乱が生じるのも、街なかの喫煙所数が少なすぎるからである。
改めて「おおさか飲食組合」の関係者に話を聞いた。
「大阪の飲食店はいま、コロナの時に受けた融資の返済が始まったこともあり、当時よりもはるかに経営が厳しい状況に置かれ、休廃業に追いやられる店も出ています。そんな状況の中で路上喫煙全面禁止などの喫煙規制を進めるのであれば、それに見合う形での十分な数の喫煙所の整備が必要なのは言うまでもないこと。大阪市内には200以上の駅があるのに、新設喫煙所が120カ所というのでは少なすぎて話になりません。分煙施設の整備を市の責務とした以上、きちんと守っていただきたいですね」
ミナミの心斎橋、道頓堀界隈はものすごい数のインバウンドであふれかえっている。万博が開催されれば、その数はさらに膨れ上がるだろう。そんなインバウンドの喫煙者にとっては、屋内は禁煙だが、屋外、路上は喫煙自由というのが“常識”となっている。大阪市は路上喫煙全面禁止だから、といったところで、身近なところに喫煙所が見当たらない中でどれだけの外国人が従うのだろうか。今から混乱は目に見えている。そんな外国人を相手に税金を投入して路上喫煙防止指導員が過料を徴収するのだろうか。まずは、喫煙所整備を最優先させるべきだろう。 (つづく)