大阪市はたばこ税収308億円に対し、喫煙所整備等はわずか11億円
2025年大阪・関西万博に先駆け、同年1月から市内全域の路上喫煙禁止の方針を掲げている大阪市。今後、路上喫煙防止条例の改正を経て実施ということになるが、一方で喫煙所整備が急務となっている。また市民のコンセンサスはどれだけ得られているのかも気になるところだ。万博に向けた分煙環境整備の現状を探った。
大阪市の令和6年度当初予算案を見ると、一般会計は2兆167億円で前年度比1079億円増となっている。歳入のうち市税は7937億円。そして市たばこ税は308億1900万円と市税全体の3.9%を占めている。一方、喫煙所整備事業関連では①路上喫煙対策事業経費8392万9000円②万博を契機とした市内全域での路上喫煙禁止の推進7億7231万1000円③大阪市指定喫煙所設置経費等補助金(補助率100%)2億6452万円──あわせて11億2076万円が盛り込まれている。
市は<2025年1月の市内全域路上喫煙禁止に向け、望まない受動喫煙を未然に防止し、喫煙者と非喫煙者が共存できる分煙環境の整備をはじめとする喫煙対策関連事業を行います>と予算案の説明に明記している。そこには<こうした取組が今後の地方のたばこ税の継続的かつ安定的な確保にも資すると見込まれることから、市たばこ税を活用します>とも。分煙環境整備にたばこ税を活用することを宣言しているのだ。納税者からすれば当たり前の話ではあるが、従来の各地の自治体の姿勢からすると大きな前進である。