チャットワーク創業者 山本敏行氏(1)ユニコーン企業創出を目指しエンジェル投資家を育成
「彼が18歳の時に知り合いました。大学生向けの僕の講演会に高校生で唯一参加していたんです」
大阪桐蔭では2人ともかなりの異端児だったようだ。戸村氏は親や教師の猛反対を振り切り卒業後、自身で資金を貯め渡米。一方、山本氏は高3の時、同級生から「犯罪者」というアダ名で呼ばれていた。その理由は当時、高校生らしからぬ収入を得ていたからだ。それはインターネットとの出合いから始まった。
ゲームオタクの弟がパソコンをいじっているのを見て、「なんや、それ」と聞くと、世界中の人たちと情報交換ができるという。山本氏はまだ、パソコンをやったことがなかった。インターネットの掲示板には、ちょっとした儲けにつながりそうなものもあった。弟が新しいパソコンを親に買ってもらったのを機に、そのお古をもらうことになった。
「なんで僕が弟のお下がりなんやと文句を言うと、父親は『世の中を動かしているのはオタクなんや』と。どっちに投資したほうがいいかとなれば、答えはおのずと決まってくる。妙に納得したのを覚えています」
インターネットを始めた山本氏が最初に目をつけたのは「売ります買います掲示板」。オンライン上のフリーマーケットだ。