チャットワーク創業者 山本敏行氏(1)ユニコーン企業創出を目指しエンジェル投資家を育成

公開日: 更新日:

 自分の持っている筋トレグッズやCDを掲示板に載せるとすぐに買い手がついた。

 といっても、すぐにカネを受け取れるわけではない。山本氏はまだ、銀行口座を持っていなかった。高校生が口座をつくる場合、原則として親権者の承諾が求められる。そこで、親と一緒に銀行を訪れ、口座を開いた。すると、ほどなく入金があった。

「自分の口座に数字が打ち込まれているのはちょっとした感動でした。でも、それは長くは続かなかった。高校生の持ち物など、たかが知れている。すぐに売る物がなくなってしまったのです」

 次に注目したのが「お仕事掲示板」だった。自分でもできる仕事がないか、探してみた。自宅でやれる仕事がいろいろ並んでいた。しかし、山本氏が自身でトライすることはなかった。

「データ入力の仕事で月3万円くらい。実は僕はずいぶん前から内職で月3万円を稼いでいた。今さら同じ額の仕事をしてもしょうがないかなと」

 自分でやることはなかったものの、こうした仕事情報をこまめにストックした。これが後にカネを生み出すことになる。 (つづく)

(ジャーナリスト・田中幾太郎)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇